- 標準和名:コスジイシモチ
- 学名:Apogon endekataenia Bleeker, 1852
- 英名:Candystripe cardinalfish
サンゴの森に隠された縞模様の宝石:コスジイシモチの魅力
熱帯の海、特に枝状サンゴが茂る迷路のような場所を覗き込むと、まるでささやき声が聞こえてくるかのように、そっと寄り添いながら泳ぐ小さな群れがいます。
今日ご紹介するのは、そんなサンゴの森に暮らす魅力的な魚、コスジイシモチです。
見分けるポイント:繊細なストライプと輝く瞳
コスジイシモチ(英名:Candystripe cardinalfish)は、その名の通り、まるでキャンディのような繊細で美しい縦縞模様が体に入っています。その学名は Apogon endekataenia。これは「11本の帯を持つ」という意味で、この魚の最大の特徴である縞模様を完璧に表しています。
見分けるポイントは、この細かな縞の数と、どこか物憂げに見える大きな瞳。光の加減で体が銀色に輝き、サンゴの影から姿を現す瞬間は、まるで水中を舞う宝石のようです。
隠された生態:サンゴをねぐらとする賢い戦略
彼らはギンガメアジのように大規模な群れを形成することはなく、いつも小さなグループで行動しています。外敵から身を守るために、シカツノサンゴやテーブルサンゴといった複雑な枝状サンゴの中を生活の場としています。
昼間はサンゴの隙間でじっと身を潜めていることが多く、ダイバーがゆっくりと近づくと、警戒しながらも時折顔を出してくれます。その控えめな姿は、水中観察の楽しさを一層引き立ててくれます。
もしタオ島の海でダイビングをする機会があれば、ぜひサンゴの隙間に目を凝らしてみてください。そこには、光を反射して輝くコスジイシモチの小さな宝石たちが、あなたとの出会いを待っているかもしれません。

撮影地:タオ島(タイ)
初投稿:2015/05/09