撮影地:タオ島(タイ)
- 標準和名:ヒメアイゴ
- 学名:Siganus virgatus (Valenciennes, 1835)
- 英名:Barhead spinefoot
サンゴ礁に隠された芸術:ヒメアイゴの不思議なストライプ
熱帯の海でサンゴ礁の周りをゆっくりと泳ぐ、どこか優雅な魚。今日は、その一見穏やかな姿からは想像もつかない、ユニークな魅力を持つヒメアイゴをご紹介します。
見分けるポイント:謎めいた二本のライン
ヒメアイゴは、黄色と青みがかったグレーのコントラストが美しい魚です。その最大の特徴は、背中から目の上、そして鰓(えら)にかけて伸びる、まるで筆で描いたような二本の黒いラインです。このミステリアスなストライプは、彼らが持つ独特の個性を際立たせています。
ヒメアイゴの仲間の多くは、警戒心から体色を変化させる能力を持っていますが、この二本のラインは常にくっきりと見えるため、水中での良い識別点になります。
隠された生態:毒を持つ平和主義者
ヒメアイゴは、その見た目からは想像できない意外な一面を持っています。背びれや臀びれの棘には毒があり、不用意に触れると強い痛みを伴うことがあります。しかし、彼らは臆病で温厚な性格の持ち主です。
日中は小さな群れでサンゴ礁や岩の隙間に身を潜め、藻類を食べる穏やかな草食魚として知られています。その姿は、まるでサンゴ礁の平和な住人のようです。
もし海中でヒメアイゴに出会ったら、その美しい模様をそっと観察してみてください。彼らの繊細な魅力と、隠された力強さを感じることができるでしょう。

School of Barhead Spinefoot, Thailand
Originally uploaded by takau99
背中から目と鰓に2本黒い線が通っています。サンゴ礁で見かけますが、この写真程群れることはあまりないです。

撮影地:タオ島(タイ)
初投稿:2010/02/01